「音楽入ります」

カタストロフというか混乱というか、そんなもんを設定して姑息に盛り上げて、すっと暗転。BGMの残響と明かりの残像、真っ暗な劇場のなかに張りつめた空気。長い暗転。長ければ長いほどかっこいいから。お客さんのほうが、耐えられなくなるくらいの暗転。でひと息ついてから、ちっちゃな小屋の一番後ろに設けられた音響さんのブースから、普通に、カチャカチャという操作音と、お客さんに聞こえるように、ポツっと、「音楽入ります」のひとこと。本当はもっともっとスタッフのしゃべる芝居とかやりたかったよ。後ろで会場整理の兄ちゃんたちが、雑談しててもいいくらいだ。