クエン酸バリウム×献体の倦怠感

 加藤ケンチがパン粉叩いてばかりおるから、寒い寒いと呻いて呻いて痩せて痩せこけた加藤ケンチの母親は泣き声をあげながら布団のなかで、しくしくと恨みごとを吐く、死ぬのかもれないなと思っていると、次の瞬間には首を括っている。そんな無様でくだらない夢。「明日から二年間、わたしは断食をします」と女が言ってたのを思い出す。二年という時間は永遠のように感じる。三ヶ月後にどうなっているのか誰にも解らないのだ。「私はそれでも、きっと死なないんです」と女は言う。