マンコマンデリン完成?

  • 手網焙煎、たったの3週間で何が言えるんだという感じですが、もう、あなた、スゴイってば。言えるのは、「迷っている必要はない」ということ。出来の悪い回の豆は躊躇なく捨て、良い出来だけを飲むということ。人の方法は無視するということ。である。
  • ネットを調べていたり、某大先生の珈琲大全とか読んでいると、複雑に思ってしまうのですが、焙煎ってのは、自分の性格が出るものなので、豆なりで良い。不味いと思ったら方法を変えれば良いだけなのです。不味い煎りは、何日かおいても不味いので、即切りでOKです。
  • というわけで、午後から手網焙煎職人になる。今日のターゲットは、ちょっとアレなWINWN本舗さんというオンラインショップから仕入れた自称スペシャルティの「SPマンデリン アテン ウダラ」。1kgを試しに購入してみた奴である。一見、とてもキレイな豆だが、結構コモデティ並に欠点豆が見られた。いつものように豪快にハンドピックして、焙煎に。
  • 前回、某大先生の「珈琲大全」に則って、最初の蒸らしに随分と時間をかけて煎ったらスカスカのポンポン菓子みたいな豆になっちゃったので、某大先生の方法は軽やか却下。豆なりでいくことに。つまり、環境にもよるが、うちのバーナーの場合は最初から全開で、ちょっと遠火で蒸らしで4〜5分、ハゼが始まったらそこからはハゼのテンポが良くなるように熱源に近づけていく。ハゼ音が派手に鳴るとともに、時折、小さな火の粉が上がる。このとき、豆は最高の香を放つ。スペシャルティの豆だろうが半分くらいが欠点豆のコモデティモカ・マタリだろうが一緒。この瞬間に最も良い香になれば、間違いなく、ギリギリまで苛められる。「ハゼが終わると、そのまま遠火で待つ」というメソッドもあるが、そんなん豆自身が求めているわけないじゃん。豆は、一度ハゼたら最後まで全速力で駆け抜けるから美しいんだ。速ければ速いほど美しい。最初のハゼが一通り終わると最後の苛めに向けてさらに温度を上げる。手網を覆っていたアルミ箔を外す。2回目のハゼが、もうもうと上がる煙とともにスグに始まる。始まったハゼは終わりまで。もう焙煎部屋であるキッチンは煙が充満している。ハゼの音がなくなるのを待ち、豆から上がっている煙の香を聞く。焦げたような香の中に、微かにフルーティな甘い香が立つのを見逃さず火にさらに近づけで3秒程度で煎り止め。煎り止めは、某大先生の言う目で確認するのではなく、鼻で確認するのだ。土鍋で飯を炊くときと一緒だ。
  • という感じで煎り上げたマンデリン200g。豆の熱を飛ばして、ちょっと落ち着いてから試飲。今までで最高の出来である。香は速煎りのほうが断然勝っているし、苦みもキレも良い。何より、芳醇な甘みが後味に残る。しばらくは、この方法でいくことにする。
  • 飲み頃は、三日後とかが常識らしいが、僕の場合スグ飲む。スグに店に出す。なぜなら、煎ってから時間が必要な煎りは失敗だからだ。こんなに香が良く、甘い珈琲ならば、今日の今日でOK。
  • どうでも良いが、豆の冷却は、ドライヤーとか書いてる人が多いが、サーキュレータがベスト。3分もかからずに、常温に冷める。