話は飛ぶ。

日々の断絶こそが思考のダイナミズムだ。旗も歌もなければ書き続けるしかない、オランダラジオはいった。ケルアックのようにだ。「私はタイプライター」=「私はかもめ」。

当然、顧客の要求は後から後から後付けで膨らんでくる。最初の取り決めにはほぼ意味がないと考えたほうが良い。売る側に求められるのは、対処のためのマニュアルを整備して運用することではなくて、マニュアルがなくて基本ポリシー通りに運用できる人材を育成することだったりする。それじゃノウハウにはならない。じゃ、どうしようかってことですよね。

ひとつは、ショップでお客様の後出しじゃんけんに対応するとき、はじめてのケースならば即断即決を避けることが必要ですよね。
窓口には、こう言わせます。
「大変申し訳ございませんでした。申し訳ございませんが、少々検討のお時間をいただけますでしょうか。ご納得いただける方法をご案内できるようにいたします」
これで、アイコまで持っていくわけですよね。
あとは、マネジメントマターの話ですよね。
窓口から情報を吸い上げ、対処を考えればいいだけです。
ポイントは、「余計な話を窓口にさせない」。
これです。

窓口は、お客様にとっては全社を代表しているわけでして、そこが、1度お客様に言ってしまったことは、全社のポリシーとして受け入れられてしまいます。ちょっと頑固なお客さまなら「上の者を出せ」と要求してきて、上の者が出てきて、「大変申し訳ございませんでした、窓口の者が言ったことは間違いです」からはじまってマネジャー権限での対処に結ぶわけですけど、それって会社としての対応が二転三転しちゃうわけですので、お客様の不審を買いますよね。だから、窓口には、後出しじゃんけんには絶対に対応させないってことが大事なんですよね。

それで、ここからが、本題みたいなもんなんですが。。

窓口の話って商売のヒントの宝庫だって言われるじゃないですか。
こないだ、某メーカの社長さんにインタビューしたんだけど、全国で2300店舗を展開している食品メーカなんですが、それぞれのお店の店員さんが毎日毎日日報を上げてくるのですよ。日報って言っても、定量的な話だけでなく、所感みたいなもの、提案みたいなものが書かれている。それを社長が直接見て、感銘を受けたレポートを書いてくれた人には、直接返事を書き、社内の週報で発表するってことをやってる。ずっとやってるから、店員さんもとてもとてもやる気になるわけです。
で、そのレポートからのヒントが商品開発から営業、流通までのあらゆる部門の人間にオープンにされていて照会が可能になっているから、全社でくまなく利用できるわけです。

中堅企業の大きさの話ですが、これってネットショップにも当てはまることで、対応が成功するときもあれば、お客様を怒らせてしまうことだってあるわけでして、その場その場の対応ってのは過ぎたものはフォローのしようがないんだけど、その失敗例も成功例も蓄積していくことで、日々新しいルールを生み出していくことが、大事なんだなぁ、と。

昨日だったか、「小説の書き方を教えてください」みたいな質問があったけど、その答えのひとつで、「文体の統一」みたいなことを条件として挙げている人がいて、「ああ、まだまだこういう人いるんだ」って思うったのね。「です・ます」「〜だ」みたいなものは、「小説」というもののなかでは、いくらでも揺れてていいのに、つうか、ケルアックとか読もうよ、みたいなのがあるじゃないですか。
そんなのは一行一行で語り手の文体が変化していくってのは、思考の変化の現れですから、もっともっと自由でアナーキでいいはずなんですよね。商業文章は別ですが、小説や詩なんてのは、好きなように好きな文体で書きゃいい。そしてその「文体」こそがその作家そのものなんですから。

話はそれちゃいましたが、昨日も書いたけど、お客様とショップの関係は、「教育し、教育される関係」ですってがわかってれば、そこから、すべてを考え直すことができるんですよね。




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