それは95年のことだったか・・・

まさに企業にとってのインターネット黎明期だった。グローバルなレベルでのEC関連コンソーシアムの1年に一回のシンポジウムが東京で開催された。ぼくは、シンポジウムの構成と総合演出を担当したんだけど、そのときに、良く言われていたのが、「商習慣」の違いってことだった。世界標準のECプラットフォームをどうやって構築していくか、つまり、インターネットは国境を越えるわけだから、どこの国の人とも商取引ができるわけで、そのためのソフト面での基盤とかリソースとか、どうよっていうのがテーマだったから。まあ、いまは、結局は国内のビジネスがほとんどになっているけどね。
「商習慣」の違い。日本は印鑑文化だからとか、売りかけのシステムをもってる国と、にこにこ現金払いの国とのビジネスはとか。。そういう問題が、もちろんリアルの商売のなかで日常的に調整されていることなんだけど、ECにとって重要なのよってことで、それならば、プラットフォームはグローバルを志向するんじゃなくて、グローカルだよね、みたいな話の展開だったか。。。
パネルディスカッションのモデレータを勤めたのは、主催団体のひとつであり、そのシンポジウムの企画をした大手総合研究所の某氏、いまでもすごく刺激的な論客なんだけど、そのモデレーターぶりが、もう涙が出るくらいに秀逸だったのをおぼえている。

話は微妙にずれたけど、「商習慣」ですわ。

たとえ、共通認識とかルールを確認してもあんまり意味ないんだよね。
先にも書いたけど、それを「教育し教育される関係」。

たとえば、急速に伸びているインターネット専業広告代理店のメールマガジンってどうよ。「ビジネスに関するメールマガジンを購読している人すべてに送っています」とか称して、「社会人メルマガ」なんてのが送られてくるようになってるんだけど、それを彼らは、「会報誌」って呼んでるのね、それってざっくりとしたパーミッションでOKって話なのかなぁ。

パーミッションマーケティングって言葉ほど誤解されているものはないんじゃないかなぁ。ラジオボタンをクリックしたからといって、「有用でもなんでもない情報を送ること」に対して許可したわけじゃないよね。そのメルマガの中身なんだけどさ、なんか胡散臭い記憶学習システムのPR広告だけだったりするのよ。これって、要は、「スパムじみた」もんだよね。

まあ、退会の案内とかしっかりしているから、それは評価できるんだけど。。。
つまんないなぁ、と。

なぜ、こういうつまんない情報によるリソースの無駄遣いが横行しているのか

別に、得意がって書くことじゃないんだけど、広告メディアを開発したいからですよね。「ビジネスに関心の高いユーザ100,000人に配信しているメディアです」というようなセールストークで売れるメディアなわけです。ユーザのメリットとかホスピタリティとか、どうでもいいみたいなのよ。だから、いんちき臭い教材とか、自己啓発系の商品とかのPRだけちょろちょろと並んだメールが届くのね。
どうでもいいんだけど、それって読者であるユーザを裏切っているのと同様に、広告主をも裏切っているんですよね。

素人じゃないんだから・・・。

こういうのが「他者のないマーケティング」とぼくが呼んでいるモノです。
メディア側の勝手な思い込みと利益だけで、くだらない情報が垂れ流しにされる状況って、インターネット専業と称する素人がメディアを作るようになって本当に増えている。最近知ったんだけど、こういうメディア開発では、雑誌編集のプロとかを連れてくるわけじゃないんですよね。業界のプロを連れてきて、コンテンツ作りの素人が作っている。それじゃ、広告主さんがかわいそー、です。

ま、こんなのは、どうでもいいし、つぶれるメディアだから興味ないんだけど、広告ってひとつ間違えるとこういう過ちを犯すんですよね。
なんで、こういう勘違いが起こるか。
それって、消費者であるエンドユーザに対する「想像力」の欠如なんですよね。
パーミッションをとるっていう行為が、「クレイマー対策」の意味しかもっていないという誤解が、「想像力」を貧困にする。貧すれば鈍す。ばかばかしいPR丸出しのちょうちんマガジンの出来上がりです。

一時期、某ショッピングモールからの個人商店からのメールが嵐のように続いて、しかもその中身が「買い物情報」一辺倒で糞つまんなかったとき、同じことを考えたんだけど。ありていに言えば、こいつら馬鹿です。
ユーザのクレイムをシャットアウトすることが目的じゃなくて、ユーザの好意を手に入れることが目的な筈なのに。

なんかまとまんないので、続きは今度。。

  • 企画書直し×1
  • セミナーの運営マニュアル
  • 調べ物など

なんか、やっと余裕が。。