ゾナーゾナーゾナー

 というわけで、普段使いのIIIa
 1,5/5cmのSonnarは、どんな状況でも期待通りの絵を作ってくれる稀有なレンズだ。最高の50mmは、やはりSummicronと言わざるを得ないが、ハイスピードレンズでは断然Leitzより王者Zeiss。もちろん、開放から美しいボケをかましてくれる。僕の場合写真をはじめた初期に、このSonnarと出会った。LマウントでCanonIVsbに装着して使っていたのだが、このレンズの魔力にとりつかれて以来、大口径偏愛の病に冒された。「明るさは1,5以下でなくてはならない」「ケッ、2,8なんか使えねーじゃん」という時期があった(まあ、若気のなんたらで・・・恥ずかしいことですが)。ボケ味も、開放で野外で使ってグルグルだったりモアモアだったりブチブチだったりするとそれだけでダメレンズというレッテルを貼った。開放から使うことに勇気のいるレンズなんてのは、ダメ。まあ、最初に使った道具ってのはその人にとってのスタンダードになっちゃいますから。だから、ずっと、Sonnarしか使わなかった。M42のSLRのときにTESSARをしぶしぶ使うくらいだ。後にSchacht Travenar2,8/50mmに出会ったり、前述のVF101のColor Skopar 2,4/40とか、Rollei35S、そしてLマウントのNikkor QC 3,5/5cmなんかを使いはじめて、大分考えが変わってきたが・・・。

 まあ、そういうレンズである。
 今でももっとも信頼できるレンズのひとつだ。