託すカメラ


ひょんな出会いから親しくしている友人夫婦の息子というのが、ちょうど中学生でいろいろなことに興味を持ち出している。たいていの中学生がそうなのだろうが、とても賢く、好奇心旺盛で、やんちゃだ。もちろん「他意のない」レベルで。ちょっと前に、彼が、写真を始めたいというので、カメラを一台プレゼントすることにした。いろいろ悩んだ。使いやすさでいえば、AEのついたMinolta Hi-Matic Eとかがレンズも凄い描写をするし、いいかなぁとか。やっぱ一眼かな、だったら、Nikon Fがいいかなとか。
結局、熟考の末、長年愛用してきたContaxIIIaと1,5/5cm Sonnarの組み合わせをプレゼントすることに決めた。

これは、僕が、最初に手にした旧Contax。当時CanonIVsbに装着して使ってたライカLマウントのSonnarの描写に感動して、どうしても本家Contaxを使いたくなった。インターネット上をくまなく検索し露出計不動だが格安のものを発見し即購入した。Jena Sonnarは当時まだ青山に店舗を持っていた「Camera Classic」で購入。このカメラは本当に写真を撮影する楽しみを教えてくれた。フォーカシングダイヤルでピントを合わせる喜び、信頼できるレンズがあるってことの心強さ。出かけるときはほとんど持参し街をスナップし続けたマシンだ。
ここまで思い入れがあるマシンだから、大切な友人の息子に、次世代に託すには最適なんじゃないかなぁ、と思ったわけだ。

おっさんになるってのは、こういう関係が出来てくるということなのかもしれない。使い方を教えるのが楽しみだ。