初釜に思うこと。

  • 焙煎方法を変えてから、健全に失敗する釜が多くなった。失敗に気づく釜が多くなったというのが本当だろう。ゆっくりちょろちょろと炊いていたのでは、気づかなかった致命的な欠損に気付くようになる。やれやれ。またひとつひとつ作り直しである。もちろん成功と言える焙煎は調子が良い。香りとコクと強さが凝縮しているし、二週間経っても悪くならない。豆は余計な水分を含んでいず、カラカラと乾いた音がする。ストロングブレンドのトラジャが多少多かった気がするので、次回は改善。マイルド系の豆は酸味が強くなった。これも新焙煎法の特徴。酸味が残ることを避ける人もいるし、珈琲の酸味を嫌っている人も未だ多いが、豆の本領は酸味にある。それはスペシャルティコーヒー愛好家の好きな浅煎りじゃなくてフルシティ〜フレンチの深煎りでもそうなのだと思う。豆の持っているポテンシャルを最大限に引き出すには、成分が昇華する以前に炊きあげなきゃならない。今年は、そういう方針を中心にストロング系を煎り、マイルド系やカリブ系は豆に応じて強さを調整する。そんな緩い全体方針。
  • 穏やかな日々。日比谷はどうか知らないが、緩やかな日々。無関心ではないが、共闘できないものは仕方ない。